ご自宅に急にインターホンが鳴り、「お宅の屋根、無料で修理しませんか?」「地震でのひび割れを無料で修理できますよ」と言われたことはありませんか?
昨今、そのような会社と契約をし、高い手数料を取られたといったトラブルが増加しています。
私も損害保険会社ではたらく一人として、修理代行業者のやり方は反対の立場を取っています。
もちろん全ては悪い修理業者ではないですが、ここではどういった流れで契約が進むのか、どう対応すればいいのかといったことをお話します。そのうえで契約をするべきかどうかを判断してみてください。
本来ご自身で受け取れるお金を守るためにもぜひ知っておいてくださいね。
そもそも修理業者と修理代行業者って?
家を修理する修理業者と間に入ってお客様と修理会社を仲介する修理代行業者という方が存在します。
ある日、修理代行業者の方から突然インターホンが鳴る。もしくは知り合いからの紹介でこのような売り文句を言われます。
「保険を使えばリスクなく保険金が手に入るかもしれません。申請手続きは全てこちらで代行します。もし保険金が手に入らなければ、お金は一切いただきません。その代わり保険金が手に入ったら成功報酬として30%~50%をいただきます。」
突然このようなことを言われたらどう感じるでしょうか。
リスクなく、お金が手に入れることを考えれば、悪くないと感じるかもしれません。
では修理会社と修理代行業者にとってのメリットは何なのでしょうか?
相手の視野に立って考えてみましょう。
・修理会社
修理代行業者と手を組めば、定期的にお客様を見込める。
本来の相場より高い見積書を出しても、保険が受理されればその分儲けになる。
・修理代行業者
失敗してもお金を失わない。リスクがない。
1件成約すれば、数十万円の利益になる。
リスクなく収入を得られるチャンスがあるため、最近では営業マンを集めるために副業としても流行っています。(筆者も数回誘われました。)
こう見ると、修理会社、修理代行業者、お客様3方良しに見えるかもしれませんね。
損するのは保険会社だけのようにも感じるかもしれません。
リスクについて
これを見たうえで、お客様の目線で見てどういったリスクがあるのでしょうか。
そのうえでどう回避をすればいいのでしょうか。
自分で修理費用を追加で負担しなければならない可能性がある。
代行業者に保険申請手続きを頼み、無事保険金が下りたとしましょう。その前段階で何かしら契約を取り交わしている場合はほとんどです。
例えば「弊社以外の業者を使用する場合は保険金の●割を支払ってもらう。」「保険金が下りた場合は見積書の通りの修理をすること」などのデメリットとなる文言がある場合は十分考えられます。
例えば100万円の保険金が下りて4割が手数料で取られる場合は以下のようになります。
・お客様:60万円
・修理代行業者 40万円
この60万円で、100万円見積書の修理をしなければいけないのです。
その場合足りない40万円はどうすればいいのでしょうか。その場合はもちろん足りない部分はご自身で支払うことになります。
悪質な場合は損害保険会社に注意リストに入る。
こちらは保険会社側の問題ですが、悪質な修理業者などはリストとして共有されています。
その修理会社を使って保険金を申請する場合、保険会社でそのような履歴が共有されます。
1回くらいでは大丈夫ですが、何回も短期間で保険を請求しているとお客様自身が要注意リストやブラックのリストとなる可能性があります。
本来受け取れるお金が得られなくなる。
こちらは①に近いですが、本来100%受け取れる保険金を、50%~70%ほどしか受け取れなくなります。これは知らない第三者にそれだけお金が流れていることを意味します。
対策方法:では、どうすればいいのか?
以上のリスクを聞いたうえで、どうすればいいの?といった方も多いと思います。
まずは、飛び込みで業者が来た場合でも断ることです。
そのうえで、保険会社や保険代理店に相談をすることです。
保険会社や代理店に相談をし、修理会社を手配して見積書を取ることです。
(もしくは知り合いがいれば修理依頼をしてもいいかもしれません。)
修理代行業者を通さずにやり取りを行うだけで、数十万単位で受け取れる金額が変わってきます。
以上です。
マンションや戸建てをお持ちの方は、飛び込みで修理代行業者に出会うことがあるかもしれません。ご自身のためにも、その方を通さずご自身で対応してみてください。
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