2022年7月7日~7月15日決算の振り返り

米国株

2022年はインフレから始まりさらにロシア・ウクライナの戦争に伴う原油や小麦などの更なる高騰、それに伴いFRBのインフレ退治のためのここ最近では例を見ない利上げスピードがありました。日本でも米国債の利上げの影響で、かつてないスピードでドル高、円安が進んでいます。今までは日本はインフレを心配する必要はありませんでしたが、人ごととは思えないほどの影響を日常生活からも感じています。

また、7月から2022第2Qの決算も始まってきましたね。7月中旬までの決算状況をまとめてみて、現状の把握と今後の見通しを確認してみましょう。

現在7月7日から7月15日までの約1週間で、17社ほどの決算が出そろいました。(売上規模が1Bに満たない会社は除いています。)予想売上高をクリアしてきた会社は8社(47%)、予想EPS(一株当たり利益)をクリアしてきた会社は8社(47%)です。

まだまだこれから様々な会社が決算を出すため、まだ状況はつかめませんが、全体として昨年にくらべて決算をミスしている印象です。特に、金融セクターは株式の不調もあってか、予想より悪くなっています。この中から、いくつかの決算をピックアップして見ていこうと思います。

ペプシコ:PEP

ペプシコは世界的な食品・飲料メーカーです。日本でもペプシコーラなど日常生活に非常になじみ深い銘柄ですね。生活必需品セクターなだけあり、2022年の下げ相場でも底堅い動きを見せています。

7月15日時点の株価は171ドル、配当は4.60ドル(2.69%)、PER(株価収益率)は25.75倍となっています。

第2Qの決算も予想EPS1.74$に対し、1.86$。売上も19.51Bに対し20.23Bとしっかりと予想を上回るいい数字を出しています。

次回予想見通しもEPS1.83$、売上20.69Bとまずまずの見通しになっています。先行き不透明な中では購入する価値のある銘柄ではないでしょうか。

Investing.comより抜粋

デルタ航空:DAL

アメリカン航空やサウスウエスト航空、ユナイテッド航空など並ぶアメリカの大手航空会社です。こちらも多くの方が知っているのではないでしょうか。

2022年からのコロナの影響で、コロナ前の高値60ドル付近から、現在30ドル近辺まで下がっています。また、配当もコロナの影響でなしになっています。PERは32.23倍と割高となっていますが、直近の利益減の影響で倍率が高くなるのも仕方がない部分もあります。

航空産業自体、多額の人件費や維持管理コストなどの固定費がかかります。コロナの影響がダイレクトに直撃する産業でもあり、更には原油高によって運送コストなども上がっています。原油の動きにも左右されやすい銘柄でもあるため、難易度の高い印象です。

予想EPS1.73$に対し、1.44$。また、予想売上高12.37$に対し売上12.31$といずれも予想を下回っています。次回予想EPSは1.6、予想売上高は12.59B。予想見通しは悪く、コロナ前の2019年の売上、利益よりも低いことからも厳しい状況は続くのではないでしょうか。引き続き注視が必要な銘柄で積極的に買いに行く銘柄ではないかもしれません。

Investing.comより抜粋

ジェイ・ピー・モルガン・チェース・アンド・カンパニー:JPM

JPモルガン・チェースは投資銀行、金融サービス、資産管理を行う金融会社です。

2022年以降金融株の不調に連動する形で2022年10月の高値172ドルから113ドルと35%近くの下げにになっています。配当は4.00ドル(利回りは3.54%)、PERは9.06倍となっています。バリュー銘柄としては利回りもあ悪くないと思います。株式が更に下がった場合には購入してもいい銘柄かもしれません。

2022年2Qの予想EPSは2.89ドルに対し、2.76ドル、予想売上高31.81Bに対し結果30.72Bといずれも予想を下回りました。次回予想EPS2.94ドル、予想売上高は32.22Bとなっています。コロナ後の金融緩和により大きく利益を上げていた反動が2022年に来ており、それに伴い株価も下がっていますね。

Investing.comより抜粋

ユナイテッドヘルスグループ:UNH

ユナイテッドヘルスグループはヘルスケア製品と医療保険サービスを提供しており、世界最大のヘルスケア企業です。私個人は馴染みがなかったのですが、売上高(306B、日本円で30.6兆円)や時価総額(497B、日本円で49.7兆円)を見るととてつもない企業ですね。

配当は6.60ドル(1.25%)、PER(株価収益率)は27.68倍となっています。ヘルスケアセクターらしく現在の難しい相場の中でもしっかりと株価を最高値付近で維持しています。決算もキチンとクリアしており、株価も安定して右肩上がりの素晴らしい銘柄だと思います。ディフェンシブの銘柄として見ておく価値は高いと思います。

2022年2Qの予想EPSは5.21ドルに対し5.57ドル、予想売上高79.68Bに対し売上高80.33Bとしっかりと決算をクリアしています。次回予想EPSは5.53ドル、次回予想売上高は80.04Bです。過去2年間(計8四半期)の決算も全て上回っており、今後も安定した収益を稼いでくれる銘柄の一つでしょう。

Investing.comより抜粋

ウェルズファーゴ:WFC

ウェルズファーゴは多角的な金融サービス会社です。金融関係に勤めていなくとも、聞いたことのある方が多いのではないでしょうか。他の金融セクターの株式同様、年初の最高値から30%近くの株式の下げになっています。

現在の配当は1.00ドル(2.43%)、PBR(株価収益率)は9.81倍となっています。大手の銀行は日本のメガバンク含めPBRベースでは割安になっていることが多いようですね。

2022年2Qの予想EPSは0.8048ドルに対し結果0.74ドル、予想売上高17.48Bに対し結果17.03Bといずれも予想を下回りました。次回予想EPSは1.09ドル、予想売上高は18.71Bと昨年と比べても横ばいの予想になっています。

金融セクターには逆イールドで利ザヤが取れなかったり、昨年までは盛んにおこなわれていたIPOなどの収益も取れず、しばらく厳しい相場が続くのではないかと思われます。

Investing.comより抜粋

ブラックロック:BLK

ブラックロックは投資運会社であり、機関投資家および個人投資家に各種の投資、リスク管理サービスを提供している会社です。一般の方は知らない方もいるでしょうが、このサイトを見てくださっている方はほとんどの方がお世話になっているのではないでしょうか。

配当は19.52ドル(3.25%)、PER(株価収益率)は15.81倍となっています。特段割安とまでは言わないまでも、最高値973ドルから600ドルと約半年で38%ほど安くなっており多少の値ごろ感は見えています。

2022年2Qの予想EPSは7.87ドルに対し結果7.36ドル、予想売上高4.55Bに対し結果4.53Bといずれも下回りました。次回予想EPSは8.47ドル、次回予想売上高は4.64ドルになります。2020年、2021年の金融相場のおかげでここ2年ほどは予想を大きく上回る決算を出し続けてきましたが、ブラックロックの決算も見るだけでも金融相場の終了が感じ取れます。

Investing.comより抜粋

シティグループ:C

シティグループは多角的な金融サービスを提供する会社です。配当は2.04ドル(4.08%)、PER(株価収益率)は6.30倍とかなり低くなっています。上に記載したJPモルガンやウェルズファーゴに比べてもかなり割安放置の状態です。現在株価49.98ドルですが、これは2013年ころの株価とほとんど変わらず、2010年代の米国株式の上昇にも乗れていないことになります。

2022年2Qの予想EPSは1.68ドルに対し結果2.19ドル、予想売上高18.4Bに対し結果19.64Bと決算はいずれもクリアしています。次回予想EPSは1.55ドル、予想売上高は18.06Bとここ数年と比べても変わらず横ばいとなっています。アメリカの株式は利益と売上を着々と上げていく企業が多い中、決算の数字と株式を見ても今後も横ばい維持になっていく気がしています。

Investing.comより抜粋

まとめ

以上、7月7日~7月15日までの決算の結果のまとめと、個人的に企業分析をしてみたいと感じた銘柄を記載していきました。この期間は金融セクターが多かったですが、いずれも利上げの影響で大きく値を下げている印象でした。また来週以降も続々と決算が発表されていきますので、注意してみていきたいと思います。

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